Hoosiers

監督David Anspaugh、制作・脚本Angelo Pizzo、音楽Jerry GoldsmithというRUDYとまったく同じ製作陣、そして2001年にUSAトゥデイ紙は「歴代のスポーツ映画の中でも最も素晴らしい」と評したこの作品。だったら絶対に面白いはずと、アマゾンで注文し期待を高ぶらせながらDVDを再生。しかし、期待が大きすぎると、せっかくの作品も面白君感じれなくなるとは、まさにこの作品のこと。RUDYと同じ面子が作ったとは思えないというのが、僕の感想だ。1986年製作の映画で、1951年の出来事を描いているのでまずもって、バスケットのシーンは迫力はない。しかし、これは、忠実に当時のバスケットを忠実に再現したから故のことかもしれない。コートのラインがキノコ形だったり、アンダースローで投げてみたり、バスケ経験者がみると笑ってしまう位、古い時代なのだ。

しかし、一番の問題は感情移入できるような登場人物が僕にはいなかったこと。ジーン・ハックマン演じるコーチも、ゲームで彼の指導力が発揮されることはなく(そのように見える)、たびたび退場。ジミーとうスター選手がチームに帰ってきてからいきなり勝ちだすという展開で、せっかくの鬼コーチも影が薄い。個性的なキャラクターは沢山出てきているが、映画という短い時間でまとめるには人物一人一人を描ききれてなく、散漫な様子は否めない。そして女教師とのロマンスも、蛇足としか思えない。

けれども、アメリカの田舎町が“スポーツ“というものを、どのようにして自分たちの社会に活用しているか、どのような位置づけにそれを置いているのかが非常にわかる映画なのである。バスケットボール発展の歴史や、アメリカの高校スポーツ史を理解するという資料的な意味で、非常に意義深い作品であると思う。スポーツが町の人達の数少ない娯楽であり、選手達は町のスターなのである。コーチに不信任が提出され、町の議会にその罷免権があるところなどはとても興味深い。そうした事柄が丁寧に描かれており、インディアナ州の小さな町の高校バスケットボールチームの栄光を描いた実話であるという点において一見の価値はあると言えよう。

感情移入できる登場人物はいなかったとはいえ、この映画の一番の見所はデニス・ホッパー演じるアル中のお父さん。なんでもデニスが唯一アカデミー賞にノミネートされたのが、この作品なのだそうである。

タイトルになっているHoosiersとは、田舎者の意味。インディアナ州の別名がHoosier State。インディアナ大のスポーツチーム名はIndiana Hoosiers(同校は米国カレッジバスケット名門校である)。

David Anspaugh監督自身もインディアナ出身。RUDYの舞台であるノートルダム大学の所在地、サウスベントもインディアナ州である。(ちなみにRUDYの実家はイリノイ州Joliet、鉄鋼の町ということで、物語前半の舞台をピッツバーグと書いてある資料が散見されるが、これは間違いだと思う。モデルであるRUDYさん本人もイリノイ州Joliet出身、親友ピートと一緒にアメフト部に所属していた高校はJoliet Catholic Academyである。)

この映画をみたDaniel “Rudy” Ruettigerさんが、”自分の体験を映画化するには、この人しかいない”と頼み込んで出来た映画が「RUDY」。彼がそう思ったのは、地元に対する監督のこだわりや丁寧なスポーツ描写にあったのだと思う。(自分の体験を映画化してくれ頼み込んでできたという事実は、少し感動した気持ちが萎えるエピソードではあるが、そういう行動力が、彼の夢を具現化させたのだなと思ったりもする。)

日本人にとって、バスケットを題材にした物語の最高峰は『スラムダンク』であり、この作品が、スラムダンクの物語性を超えるような感動を与えてくれるかと言えば、否である。スポーツの国アメリカにとって、スポーツをドラマで描くという“2次的なスポーツ”というものは、あまり必要ないのかもしれない。日本におけるスポーツ漫画の量と比較すると、スポーツに関する創作物というのは少ないように感じる。ただし、それはスポーツをメインに据えた作品が少ないということであって、スポーツを描いていない訳ではない。この作品はいわいる“スポーツ・フィルム”というジャンルにおいての佳作であることは間違いない。

2009/12/10

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