活動の幅も広げられたし、様々なジャンルで実績も積むことができた。
けれどもフリーランスとして安定的な収入を得られているか否かを問われると、それは否定せざるを得ない。そもそも、安定なんて求めてはいけないのかもしれないけど、山あり谷ありで平均してそこそこ稼ぐという状況にもなっておらず、谷だけの状態、超低空飛行である。
前職を離れた時に「フリーランスでやっていけるわけがない」といった台詞を吐かれたので、どこか意地になっていた部分もあったのだろう。フリーランスの仕事だけでなんとかやっていきたいと思ってしばらくアルバイトはしていなかった（確定申告がさらに面倒臭くなりそうという意識も働いたのだけれど）。けれども着実に実績が積まれていく中で、そんなくだらない言葉にひっぱられるのはよそうと思えるようになり、アルバイトもするようになった。そのアルバイト探しも難儀する訳だけども、とりあえず人の目を少しだけ気にしなくなったことは良いことだと思う。
フリーランスとして自分が足りていないものは何か、その中の一つには「営業力」というものがあるだろう。「他人の席を奪ってでも仕事をとってくるくらいガツガツしてないとフリーランスはきついと思うよ」と、一番信頼している友人からアドバイスされた。友人は組織人だが、フリーランスの人と仕事をすることも多々あるらしい。「なんかいい仕事ないっすか？」「どんどん仕事振ってくださいよ〜」みたいな軽口がたたけるような性格なら苦労しないのだが、なんとなく金や商売のために人を利用してるような言動を取るのが苦手なのである。仕事なのだから、お互い利用しあう関係でいいはずなのに、そこらへん、変に嫌われたくないとか、金に汚いやつと思われたくないと言う変な見栄というかプライドがあるのだ。父親の家系がとても見栄や世間体を気にする気質があって、それを殊更嫌っていた部分があるのだけど、傍目から見ると自分自身もかなりの見栄っ張りなところやプライドの高さがあるのかもしれない。その見栄やプライドは、自分を高く見せたいというものというよりも、人を利用する人間だと思われたくない、自分を過大評価しているような人間だと思われたくないといったように、ちょっと屈折した形で現れているから厄介なのだ。
高校はデザイン科だったので、友人にはフリーランスで活動している者も多い。そういった友人の中には、営業活動などガツガツしていなくて、自分の能力だけで集客できている人も多い。自分も、そういった感じで営業活動などせずとも、周りから必要とされる職人のようなフリーランサーになれたらと思っていた。正直、今から性格を変えてガツガツと、他人の仕事でも自分のものにする気合いで行動できるような戦闘力の高いフリーランサーになれると思わない。ただ、今の状態では「世間に存在を知られていない」ままである。歌の文句のようだが「私、ここにいるよ」という情報発信していくことはとても大事だと思う。
何も、同業のライバルを蹴落とす必要はない。自分なりのガツガツさ、もがいて何かを掴み取る気持ちが必要なのだと思う。最近は、これならできるかなと思う営業活動として、実績があるけど今はお仕事の依頼が来ていないクライアントさんにメールで「何か私でお手伝いできることがあったら気軽に連絡ください」と伝えることと、自分のスキルにマッチングするようなメディアの方に、メールやSNSで自分の存在を知ってもらう、または思い出してもらえるような発信を行なっていくことを始めている。ほとんど反応がなくて、それに少し凹んでいる自分がいるけれども、蒔いた種は、忘れた頃に芽吹くものだ。
それと、このポートフォリオサイトのブログを、できる限り更新していくこと。自分の得意分野がスポーツではなく、スポーツ科学や健康科学といったより特化した分野なので、なかなか自分の実績が活かせるような媒体は見つからないのが現状だ。それならば自分でつくればいいじゃないかと思っていたりもしたのだけれど、自身のサイトをきちんと更新したり、検索でヒットするように対策していくといったことができていないのに、新しくサイトを作ってもうまくいくはずがない。
でも、ちょっと待てよ、すでに持っているのだ、自分の考えや思いを発信できるメディアを、ということに気づいた。このポートフォリオサイトを充実させていけば、きっと自分の存在の周知にもなるし自分にとってピッタリのコンテンツ作りができると思う。元来、ものを作ることが好きなのだ。でも自分の作りたいものを作るには、まだまだやらなければいけないことがある。ここで、いろんなものづくりに挑戦していこうと思う。