【スポーツ映画】今年みたいスポーツ映画・その3

4月6日からすでに公開されているのだけど、今年見たい映画・その3が「ダンガル きっと、つよくなる」だ。「Battle of the Sexes」「I, Tonya」に続き、女性が主人公のスポーツ映画である。

レスリング経験者なので、この映画の情報は少し前からキャッチしていた。けれども、日本でのプロモーションが予想できたので、話題になればなるほどちょっと憂鬱な映画でもあった。日本ではレスリングの競技人口は少ないので、私のようなめちゃくちゃ弱かった経験者でも、オリンピックがあるとレスリング界を代表して質問を受けたり、感想を求められることがある。一般の人が興味があるのは、もちろん日本女子レスリング界の快挙である。しかし、いろいろとレスリング界に深く入りすぎてしまったということもあって、(今でこそ分かってもらえるだろうけど)言葉を濁すことも多かった。だからこの映画についても、すこし話題を避けていたように思う。

裸に近い状態で身体を密着させ戦う格闘技で、女子選手を男性選手が指導するということにも、様々な課題や問題点があるのだが、女性が競技を行うこと自体、宗教上の理由で(間接的に)禁止されていたり、タブー視されていたり、男尊女卑的な社会の中で一般的ではなかったりする地域が、数多く存在する。

この「ダンガル きっと、つよくなる」で描かれている親子鷹は、実話ということで決して美談としてのみ受け取るわけにはいかないと思う面も多々ある(この映画同様に頭を坊主にさせられている女子選手を日本でも見たことがあって、個人的に親のエゴなのではないかと感じたことがあった)。けれども、女性の権利がかなり制限されている社会で、スポーツを通して自己を表現していく娘たちの姿は、きっと多くの人の心を打つに違いないということがトレーラーを見ても伝わってくる。

いつもいろいろな映画や本を教えてくれる、高校からの友人が、この映画こそ私と一緒に見たいと行ってくれているので、近々予定を合わせて見に行きたいなと思ってるのだけど、忙しそうなので実現するかどうか。スケジュールが合わなそうだったら、一人でも見に行こうと思う。

最後に、話は少しそれるが、ここ日本でも、伝統競技における男尊女卑的な思想が問題になっている。
これについては、SNS等でも話題になっている
相撲における「女人禁制」の伝統について(リンクしていたPDFがリンク切れのため、国会図書館サーチの結果をリンクしておきます)
という論文が興味深い。NPO法人フローレンス代表の駒崎さんも、この論文を引用しながらブログ記事をアップしているが、この論文の紀要はとても読みやすいので、興味のある人は直接こちらを一読してみると良いのではないだろうか。

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